うっかり家族で世界一周にいけなくなりましたwww

家族で世界一周を決めた我が家がうっかり世界一周にいけなくなったブログです。

家族で世界一周を決めた日

数年前からある違和感を感じていた。

自分という存在が魂レベルでやりたいことをやれていない。そんな感覚だ。

 

日々の生活には満足しているように思っていた。仕事では責任のある仕事を任してもらっていたし妻と娘と家族三人、楽しい生活を送っていた。少なくともその時はそう思っていた。

娘はよく家族三人の絵を描いてくれるのだが、いつだってそこに妻だけでなく自分もいた。一見、今言われているイクメン、家族思いのパパ、そういった状態を謳歌しているように見えていたと思う。

ただ、心の奥底ではベッドの下にたまり続けたほこり・昭和の香り漂う排水溝・夏の暑い日に走り回った汗、いろんな匂いがないまぜになっていた。

 

SNSで見る友人は人生の成功者になっている人も多い。ただ自分は何者でもない。

20代前半でイメージしていた自分にはとてもなれそうにない。

若い世代にもどんどん追い抜かされているのを感じる。

一方で、なにかを決めて起業するアクションも起こさなければ、会社の中の出世という階段をかけあがろうと他の物を振り捨ててもいない。かといって子供との生活さえあればほかになにもいらないという悟りも開けていない。

あれもとりたいし、これもとりたい。そういって少しずつ、ついばんだ先になにもとれていないということにどこか気づいていたし、そう思いながらなにかにすがろうとしていた。

誰かに認めてもらいたいという気持ちがずっとあったし、なにかのきっかけでまた浮上できるのではと目を閉じて目の前の仕事を、ただやる。ただ、やり続ける。

 

ただ、ずっと胃腸を壊し続けていた。

朝、会社に行くときにじりじりとおなかが痛くなる。

できるだけ朝、家のトイレですませていくのだが、歩いているうちに再燃してくる。

どこに隠れていたのか知らないが、徒歩による刺激がよくないのか、最寄りの駅までで一度目の波が来る。

これは朝のトイレの甲斐もあり、まずまずの確率で対応可能。

問題は、電車に乗ってからだ。

東京の地下鉄、当然のことながら立っている。

ラッシュ時は人が密集していてふりこのようなリズムで電車が揺れる。

揺れると胃腸も揺らされる。第二の波だ。

当然のことながら、下半身の緊張と刺激が半端ない。

この苦行は今の自分の状況と重なるのだった。何の因果なんだ。

我慢して我慢して辛抱たまらず途中下車することもしばしばだった。

しかし、下車後の徒歩の刺激がまた一段とくるのだ。これが第三の波だ。

歩き方が非常に難しいので、いろんな工夫を重ねてみた。皆さんも困ったときは試してほしい。

まず大前提として、歩き方より大事なのは途中下車のどの駅のどの場所にトイレがあるかの事前リサーチだ。

そして、電車に乗り込むときはできるだけ車両から近い場所にトイレがあることを把握して乗り込んだほうが良い。各駅で奥に押し込まれないように必ず一度降りて乗り込む。時間はかかるが、これが一番安全だ。

そして、肝心の歩き方だ。

第3位:思いっきりダッシュする

これは、調子のよいときは割と使える。

なぜなら、トイレにつくまでの時間的距離が最小化されるからだ。

リスクは突然前に人が出てくると無防備の下半身の筋肉が緩んで思いがけないアクションをしでかすことがあるということだ

第2位:ある部分に力を入れながらつま先立ちで歩く、

これは、ある特定のタイミングでは効力を発揮する。それはトイレまでもう少しというタイミングで最後の波が押し寄せた時だ。少しずつでも目的の地につかねばならぬ、しかし不要な刺激はできるだけ避けねばならぬ、そういったときに使うのがおすすめだ。

番外編として、小刻みにジャンプするというのがあるが、これは初心者には高さと頻度が難しいのであまりおすすめしない

第1位:斜め上を見ながら大きめのスタンスで雄大に歩く

下は見てはならない。決してだ。斜め上を見ることによって視界が開け、違うことに注意が行く。歩くスタンスは大きめがよい。レッドカーペットを歩くハリウッド女優をイメージせよ。彼女たちがレッドカーペットで波と戦っているとして、ちょこちょこ歩いているだろうか。いや、女王のようなスタンスですべてを包み込む大きな鷲や鷹のような動きでいるはずだ。これが一番良い。

なんなら鼻歌くらい歌ってくれてかまわない。

 

ここまで、初心者の皆さんにも使える方法を紹介したが最終的な私の対策にしてどんな人にも明日から使える対策は、替えのパンツを会社用のカバンに忍ばせるということだ。

つまりどういうことか 。これ以上語らせないでほしい。

 

結局、会社を辞めようと思った。

胃腸のことが大きいかといえば、どうだかわからないが、今思えば半分くらいは胃腸の話もあるかもしれない。人間、尊厳に近い部分が侵されることが一番なにかを変えようとするのかもしれない。

いつやめるか、どうやってやめるのかはあいまいなまま上司に会って話がしたいと伝えた。

 

呼び出されたのは会社の地下の喫茶店

ちょっとくたびれた団塊ジュニア世代のサラリーマンが数人集ってたばこをふかす。

こんな場所でやめることを切り出すのはドラマっぽいな、おい。

小心者の私は、約束の時間より30分も前に到着する。

先に店に入って飲んでいられればよいのだが、どう見ても上司がメールに書いていた

ぽい店が目の前に二軒並んでいる。

いや、どっちやねん。

どっちもたばこがぷかぷか。

どっちも純喫茶ぽい。

真実はひとつだって言ってあてなきゃいかんパターン?とか思いながら、しばし待つ。

おなかが痛くなるのでトイレに行って、ぐるっと一周してまた待つ。

指定時刻になる。

5分

 

10分

 

ま、・・・まだかいな。

あってるんかな、と不安になるが、この手の焦りでメールして返事が返ってこなかったら余計ショックなので、もう少し待つことにする。

 

15分

 

18分

 

ほ・・・ほんまにあってるんかいな。

あまりにも不安になるので思い切ってメールする。

 

3分

 

メール返ってくる。

 

ごめん、トラブル。店はいっておいて。

 

なるほど、トラブルか。仕方ないそれは。

だが、こっちはこっちでトラブルだ。どっちが当たりかわからない2つの喫茶店

大きいつづらか小さいつづらかどちらがよいか悩まなかったおじいさんすげえな。

おれはこのどっこいどっこいの喫茶店を見て、どっちに入るかを考えあぐねてるぞ。

ええ、ままよ。

リアルな世界でこんなセリフはじめて使ったわ。

そう思いながら、右の店に入ってみる。

はいって数分もたたないうちに上司が来る。

おぉ、真実の入り口だったか。

雑談からはじまり、何の話?という会話につながる。

いざいざ準備をしていた通りにいうぞと構えるが、うまく言葉がまとまらず

すいません、辞めます。

とだけ言っていた。

待て待て、辞めようと思っているのだが、今すぐ辞めていいよと言われたら意外と困るぞ、なぜそんなにあっさり言っているのだ俺。

子供もいるのだぞ、うかつだぞそのセリフは。

くー、口から出た言葉を戻す機械をくれよドラえもん

30分前について、30分近く待たされて混乱したからなのか、そのあとも、うだうだいろんな話を勝手に俺が言っているのだが、半分くらいは思っていないセリフ。

この中途半端な状態で仕事をやるのは周りに対して申し訳ないと思っている。

いや、確かにそう思った日もあった。だけどそれは二次会まで久々に焼酎とワインとチューハイとビールをちゃんぽんした深夜二時のわけのわからないテンションで思ったやつやぞ。

空中から三次元的に自分と上司をみているのは、幽体離脱ってこういうことかなと思ったりしたが、真剣にそんなこと言っている場合じゃなかった。

 

少し間をおいて上司は、話し始めた。

 

あかん

 

おぉー。セーフ。せ・・・セーフ。ファインプレーっすよ。

いま感動で涙がでそうになりました。上司の鑑的ファインプレー、ここでお疲れさまでしたと言われた日にゃぁ私どうしてよいのやらとなってましたよ。

 

そして、 

 

自分が本当にやりたいことが何かを考えてきたら

 

とのこと。

やっぱり上の人は言うこと違うなぁ。

ただ単に止められたら辞めていたが、やりたいこと考えてきたらはなかなか言えるもんじゃないね。

 

家に帰って改めて考えたが、辞めてもいつまでも「自分のやりたいこと」がつきまとってくることはわかりきっていたので言われたことを反芻しながら思いっきり自分に向き合って考えることにした。

・自分が死ぬときになにをやっていないと後悔するか

・お金と時間が十分にあったらなにをしたいか

・仕事と家族ならどっちを大事にするのか

どこかの自己啓発本に書いてそうなことだけど、今の自分が考えるには一番良い話題だと思えたのでノートを引っ張り出してひたすら書きなぐった。

妻にも話に付き合ってもらって、毎日毎晩そのことばかりを考えていた。

書き続けて、話し続けて、昔のノートも掘り出してきて

・会社に入る前に書いていたこと

・結婚した直後に書いていたこと

・今やりたいことにも入っていること

どのときにも共通していることがひとつあった。

 

世界で一番楽しい世界一周する

 

そうだった。

結婚したから

仕事が忙しいから

子供が小さいから

そういう理由でなにか制限をつけたくないんだった。

大人になっても子供のように行動する、そんな大人になりたいんだった。

 

だから決めた

 

家族で世界で一番楽しい世界一周する !